アレルギー
食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、さまざまなアレルギー疾患の診療を行っています。
アレルギーの症状は年齢や生活環境によって異なり、乳幼児期から学童期、思春期にかけて変化していきます。
当院では、小児アレルギー学会のガイドラインなどの診療指針を参考に、丁寧な問診と必要に応じた血液検査などを行い、お子さま一人ひとりに合わせた診断と治療を心がけています。
また、生活指導やスキンケアの方法、食事の管理、学校や園での対応についてもご相談いただけます。
重度の食物アレルギーに対するエピペンの処方や使用指導、アレルゲンに対する体質改善を目指す舌下免疫療法についても対応可能です。
アレルギーに関して気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
喘息・アトピー性皮膚炎
喘息やアトピー性皮膚炎といった子どもに多いアレルギー性の病気を診ています。どちらも体質や環境が関係しており、長い付き合いになることが少なくありません。そのため「病気を治す」というより、「症状をコントロールして、普段通りの生活を送れるようにする」ことを目標にしています。
喘息では、気道の過敏性が増している状態をコントロールして発作を予防することが大切です。内服薬や吸入薬を中心に治療を行い、重症度に応じて薬を調整していきます。発作時の対応についても、保護者の方にしっかり説明し、不安なく家庭で対応できるようサポートします。
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が弱く、かゆみや湿疹を繰り返す病気です。スキンケアが基本であり、ステロイド外用薬などを適切に使い、かゆみを抑えます。保湿剤で皮膚を守ることがとても大切です。「薬に頼りすぎて大丈夫か」と心配される方もいますが、正しく使えば安全で効果的です。
いずれの病気も、日常生活や学校生活に影響しないようにすることが一番の目的です。診察では、お子さんの症状だけでなく、ご家庭の生活リズムや保護者の不安にも耳を傾け、一緒に治療の方針を考えていきます。
食物アレルギー、エピペンについて
食物アレルギーは、特定の食べ物を摂取した際に、皮膚の湿疹、じんましん、嘔吐、下痢、咳、息苦しさなどの症状が現れることがあります。乳児期から始まる食物アレルギーに対しては、過剰な除去などを行わないなど適切な対応を大切にしています。必要に応じて血液検査や食物負荷試験を行い、正確な診断を心がけています。近年、ナッツによるアレルギーが増加しており幼児から学童の時期になり発症する例も多くみられます。
中には、急激に全身に症状が広がる「アナフィラキシー」という重篤な反応を引き起こす場合もあります。このような場合に備えて、当院では「エピペン」というアドレナリン自己注射薬の処方を行っています。
エピペンは、アナフィラキシーの症状が現れた際に、ご家族がすぐにお子さまに注射することで、症状の進行を抑え、命を守るための大切な薬です。処方の際には、正しい使用方法を丁寧にご説明し、実際に練習用の器具を使ってご家族にも練習していただきます。
また、アレルギーの原因となる食物については、除去が必要な食品や、日常生活での注意点についても詳しくお伝えしますので、ご不安なことがあればいつでもご相談ください。保護者の皆さまと一緒に、お子さまの健やかな成長を支えていきたいと考えています。
花粉症、舌下免疫療法について
花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎では、鼻水・鼻づまり・くしゃみが長く続くと、睡眠不足や集中力の低下を招き、学校生活にも影響します。治療の基本は、まず生活環境の工夫です。花粉の多い時期は外出後に洗顔やうがいをする、衣服や布団に花粉を持ち込まないなどが大切です。そのうえで、症状に合わせて抗アレルギー薬や点鼻薬を使い、つらい症状を和らげます。
さらに根本的な治療法として「舌下免疫療法」があります。これは原因となる花粉やダニのエキスを毎日少量ずつ舌の下に投与し、体を慣らしていく方法です。3~5年間の継続が必要ですが、症状を軽くしたり将来的に薬を減らせる可能性があります。5歳頃から始められるため、当院でも多くの方が行っています。お子さんの生活の質を高めるため、気になる症状があれば早めにご相談ください。